流出したホストの接客マニュアルを解説

ホストが学ぶ接客ノウハウ

接客するホスト

一説には接客業の最高峰とも言われるホストの仕事。
男性の高収入求人としてもおなじみです。
以前にネット上に流出した女性対応マニュアルを参考にいくつか気になることや補足などを独自にまとめてみました。
⇒マニュアルを書き起こしたテキストはこちら

女性のタイプを見抜いて適切な対応を

接客業に限らず、買い手やサービスの受け手のことを考えるのは商売の基本です。
お客が何を欲しがっているのか、何を必要としているのかをしっかり見極めて適切な対応をすることが大きな利益をもたらすのです。
この考え方は最近ではペルソナマーケティングとも呼ばれています。

ペルソナマーケティングの成功例として有名なのはお菓子メーカー「カルビー」のジャガビーです。
20~30代の女性には売れないと言われていたスナック菓子の販売戦略として設定したペルソナは「27歳」、「独身女性」、「文京区に暮らしている」、「ヨガとスポーツに凝っている」と言う細かいものでした。
このペルソナを元にパッケージデザイン、CM戦略を練って成功に至ったのです。

マニュアルでは女性を大まかに4種類に分けています。
それぞれをペルソナの1つと考え、少々補足説明を加えてきましょう。
言葉は悪いですが、そのまま引用させてもらいます。

ペルソナ1:飲むのが好き、騒ぐのが好き⇒酒好きのバカ

パリピ

現代のホストクラブのノリにもっとも適した女性です
大声を上げて、ギャハハと笑い、ストレスを発散したい人たち。
欲求がわかりやすくストレートなのでホスト側も対処が比較的容易です。
そもそもお酒が好きなので、注文したお酒・ドリンクを積極的に自分で飲んでくれるのでホスト側の負担が減ります
中にはホストを泥酔させることを好む厄介なタイプがいますのでその場合は注意が必要です。

雑記:ホストクラブは元々ダンスホールを経て誕生したサービスで、現在よりもっと高級で優雅な雰囲気でした。
店内にピアノが置いてあり、生バンドによる演奏を行うお店もありました。

ペルソナ2:チヤホヤされたい⇒ブス、デブ、モテない、自信過剰

チヤホヤされたい女性

人間の3大欲求と呼ばれるのが食欲・睡眠欲・性欲
この3つが簡単に手に入るようになった現代人は新しい欲求を生み出しました。
それがこのペルソナが求めるもの、承認欲求です。
自分の存在を認めてもらいたい、褒めてもらいたい欲が強い人が増えています。
流行語にもなったインスタ映えはその1つと言っても良いでしょう。
マナーを守らない、付き合いが面倒くさい、自分勝手、などイメージの悪い欲求ですが、それを満たすためにホストクラブに通う女性が増えるのであればホストにとってメリットでしかありません。

ペルソナ3:友達がいない⇒地方出身、内弁慶、家庭環境難あり

孤独な女性

一定の年齢に達すれば、親よりも接する機会の多い存在が友達
特に女性はその繋がりが広いです(強くはない)。
友達がいない・少ない女性には様々な要因が考えられます。
単に引きこもり気味なら楽ですが、性格に難がある場合は扱いが難しいです。
もっとも難易度が高くなるのがいわゆるメンヘラ
精神的に不安定で自傷行為を行ったりもするので上手くコントロールしないとホスト側の精神にも影響します。
その分、依存的関係を構築できるとなかなか離れることはないので継続的な集客・利益に結びつけることができます。

ペルソナ4:担当に恋⇒悲劇のヒロイン、M気質、尽くす自分に酔う

泣く女性

ホストクラブは擬似恋愛を提供する商売です。
お金の支払いが発生している段階でその恋愛は本物ではないのはお互いにわかっているはずなのですが、恋人を求めてホストクラブにやってくる女性もいます。
彼女たちもバカではないので自分以外にもお客がいることはわかっています。
その事実も悲劇のヒロインという役柄を自分に与えれば演出効果に早変わり
困難な状況でも自らの愛を貫く彼女たちは確実に自分に酔っています。
売上アップのために複数のお客を持たなくてはいけないホストにとってこういったお客は重宝します。
関係が離れる期間があったとしてもそれは彼女を演出する悲劇の1つでしかありません。

お客との店外・アフターについて

マニュアルには各女性のタイプごとに店外・アフターについて書かれています。
少しまとめてみました。

アフター・店外は次に繋げるための営業活動

アフターとは、ホストクラブの営業終了後にお客さんと一緒に過すことです。
食事やお酒を楽しんだり、カラオケに行ったり、もしくはホテルとか…。
店外はホストクラブ以外でお客さんとデートなどをすることです(営業前、営業後は関係なし)。
店やホストが休みの場合でも成立します。

アフターも店外もホストにとって残業・休日出勤みたいなものです。
特にお店から残業代・手当てなど出ません。
完全にホスト個人の時間を使っての営業活動です。
そのため、次回来店が望めないお客にはする必要はありません。
マニュアルを見ると、アフターや店外での関係だけで満足してしまうお客(ペルソナ2:チヤホヤされたい)には来店する動機を失わせてしまうので厳禁なようです。

アフター・店外はホストにとって負担ではありますが、お客との関係性を縮める効果がた高いです。
あたかも恋人同士のような雰囲気を演出できますし、店内では話せないプライベートな話題にもうってつけのシチュエーション。
マニュアルでは「ペルソナ3:友達がいない」や「ペルソナ4:担当に恋」など精神的な繋がりに飢えているお客に対して有効な方法だと教えています。
但し、いつまでも自分の時間を特定のお客に割き続けるわけには行きません。
依存度が高まって、少々放置しても良い状態になったらアフター・店外は控えて別のお客への対応に切り替えるのです。

お客を店に呼ぶときはどうする

関係性が深まったお客でも毎日通わせるのは無理があります。
自然な来店が望ましいのですが、「今日はガチで来て欲しい」瞬間があります。
そんな時にどうやってお客を呼んだら良いのでしょうか。

最低料金でも呼ぶべきか

お客がホストクラブに毎日通えない、その理由は時間とお金。
特に後者のお金の問題が大きいです。
ホスト側は呼びたい、お客側はお金がない
その妥協点として最低料金を提示する方法があるのですが、正しい方法とは言えないようです。

特に「ペルソナ1:飲むのが好き」「ペルソナ2:チヤホヤされたい」にはNG。
前者は飲み方を制限されるのは本意ではないでしょう。
後者は安く楽しむことを覚えられるとホストのありがたみが薄れて次回以降も安く済ませようとする傾向があるのでしょう。

「ペルソナ3:友達がいない」や「ペルソナ4:担当に恋」の場合、もっと大金を使ってくれるポテンシャルがあるのにわざわざ安く済ませること自体がデメリットなのでしょう。

まとめ・感想

今回流出したマニュアルは、マニュアルと呼ぶにはややボリュームに欠けますがなかなか面白い内容でした。
根本には最先端のマーケティング理論が薄っすらとはありますが存在していますし、ホストクラブにやってくる女性層についても少しわかりましたね。
マニュアルとは少々異なりますが、元ホストの肩書きを持った人が本を出版しています。
ホストの仕事術に興味が沸いた方は購読してみてはいかがでしょう。

※以下はマニュアルの写しです。

【ホストに来る女のタイプと特徴】
①飲むのが好き、騒ぐのが好き⇒酒好きのバカ
②チヤホヤされたい⇒ブス、デブ、モテない、自信過剰
③友達がいない⇒地方出身、内弁慶、家庭環境難あり
④担当に恋⇒悲劇のヒロイン、M気質、尽くす自分に酔う

【タイプ別対処法】

①ノリ良くしてガンガン飲む

こういう飲み方をする人は元々ある程度使えるお金を持っている。(じゃないと出来ない)
持っているお金を引き出すために、ひたすら楽しませる、下僕営業。

②初回荒らし。基本はスルー。店外厳禁

初回枕狙いや、その後の育てを楽しむタイプ。
思わせぶりだけど来る気ゼロ。店外したら負け。
コピメっぽくないLINEを続け、週1くらいで電話。
基本的にお金を使わず、いかにホストに相手にされるかを大事にしているので。
「最低料金でいいから、ワンタイでいいから」は×
タイミングを見て「2万握り締めて来て!」と言う。

③心を開いて話せる人になる。自分の内側も見せる。

ハマれば熱い。ひたすら聞き役に徹する。
メンヘラ度高い子にも極力普通に接して、巻き込まれないように気をつける。細くてもちょこちょこアフター、店外。
LINEは決まった時間にマメに返信。

慣れてきたら軽めの自分の相談。アドバイスをもらい、
「○○ちゃんのアドバイス通りにやったらうまくいったよ!」
「ありがとう!!」と感謝を伝える。
[お互いに高め合える良い関係]にして離れられなくする。

徐々に店外、アフターは減らしていく。でも連絡だけはマメに。
「今日は頑張りたいから2時間だけアフターに行ってくるよ」など自分の行動もさりげなく細かく報告する。(内容は嘘でも良い)
自分に使ってくれる時間が減っても、「担当のことを一番わかっているのは自分!」というプライドを保たせる。

きっかけがあれば、(太客登場、負けたくないライバル登場など)で煽る。
ヘルプには煽らせない。予算を伝えられてる時は守る。
でもラスソンが近い時などは「あと○万でラスソンなんだけど」とお願いしてみる。嬉しさ、悔しさをオーバーに。

④最速で育てる。細から太へ一番育てやすい。

細飲みのうちの対応は基本③同様に。
アフター、店外を減らすタイミングは相手がハマってきたらすぐ。

連絡だけは超マメに。逆色かけられても流されない。

最初に枕をすると切れる可能性大。
「好き」という言葉が何度か出てきた頃合いで「ねえ、本気で言ってる?」と真面目に聞く。
向こうも本気で落とそうとしていれば必死に何か言ってくるので、それを聞いて受け止める。(フリ)
「俺もホストだから彼女になったら辛いよ?でも本気で応援してくれるなら俺も本気で○○ちゃんを最優先にする!」と言う。
反応見て「でもお金使うのは無理!」「店行かなくても会ってくれる?」などと言い出したら、「やっぱり覚悟できてないでしょ?辞めてから考えるとして、今までどおり仲良くしよ(※ハートマーク)」と言って一旦終了。

「頑張る!使う!」となったら本営スタート。
「最初のシャンパン記念にお泊りしよう!」と高額を煽る。
最初は酔ったふりで枕はしない。シャンパン=枕を匂わせ、2~3回目で1回やる。
その後は、枕はなるべく出し惜しみ。

①⇒③、④ ②⇒③、④ ③⇒④
変化していく可能性もある。相手の求めていることを見逃さない。

【全タイプ共通】

・「ありがとう」はしつこいくらい言う。
③には負けて悔しい気持ちも出す。
④には、負けて悔しくてイライラしている雰囲気も出す。(イライラしてゴメン。と翌日ちゃんと謝る)

・「最低料金でいいから」はNG
特に②に対して。時間の無駄。
①は、それを言われても来ない。言われると冷める。
③④はそれで来ても育つのが遅くなる。

・自分の売上を自分でコントロールする
特に③はヘルプの煽りで来なくなる人も。
④は、「シャンパン入れてあげたら喜ぶだろうね」
くらいのことはヘルプに言ってもらうのも有り。
基本は自分で「お願い!」と言う。誠実に

・ナンバーにこだわる
「頑張っているから応援してあげよう」という空気を作る。